WTOCD(ダイヤモンド科学技術研究センター)は、2009年に HRD Antwerp により、ホールマークであるハート&アロー(矢) を開発しました。客観的な基準と特別に開発された自動エキスパートシステムを用して、ダイヤモンドがハート&アローの基準を満たすかどうかを検証します。詳細は、同センターの ウェブサイト を参照してください。ハート&アローのパターンは、特定の緻密な仕様内でカットされたダイヤモンドに特別なビューアを使用して見ると表示される、対称的な光パターンを指します。
ブリリアントカットダイヤモンドには、57のファセットがあります。これらのすべてのファセットが調和している場合、ダイヤモンドを上から見たときに、8つの対称的な矢印 が、下から見たときに 8つの対称的なハートのパターン が、繰り返し、ほぼ完璧なパターンとなって見えます。
ダイヤモンド業界のエキスパートは、どのダイヤモンドが「ハート&アロー」というラベルを許可される資格があるかについては、意見を異にしています。これは、業界標準が存在しないためです。このため、反対意見の人がいる場合にも、個人や会社がダイヤモンドに「ハート&アロー」というラベルを付けることができます。ダイヤモンド業界では、「スーパーアイディーアル」という用語が、完全な光学的対称性を有するダイヤモンドを表現するために使われる共通の用語です。GIAが「3 x エクセレント」(優れたカット、対称、ポリッシュ)とするか、またはアメリカ宝石学会が「0」(または「アイディーアル)とする全体的なカットの評価を持つほとんどのダイヤモンドは、ハート&アロービューアを通して見るとなんらかの種類のハート&アローのパターンを持ちますが、パターンが完璧ではない場合もあります。ダイヤモンド業界の大多数のエキスパートは、ハート&アローのパターンを評価する必要があり、最高グレードのもののみハート&アローと呼ぶべきだという考えです。これらエキスパートたちはまた、ハート&アローのパターンが”ある”だけでは、ハート&アローのダイヤモンドとするには不十分であると確信しています。特定のガイドラインに適合するためには、パターンは完全でなければなりません。
多くの場合、ハート&アローのパターンが見られるということは、ダイヤモンドがうまくカットされている証拠とされます。これは必ずしも真実ではありません。ラウンドカットダイヤモンドでは、はっきりと見える8個のハートと8本の矢のセットは、カットの重要な構成要素となる優れた光学的対称性を示すものです。このため、ハート&アローが見られるということは、優れたカットのしるしである可能性は非常に高いのですが、保証とはなりません。
IGI 研究所とHRD研究所では、ハート&アローを「最適なカット」と評価しています。IGI には特定の証明書があります。GIAでは、カットグレードの構成要素としてハート&アローを認識していません。この理由の一つは、パターンの存在がカットの保証とはならないという事実によるものです。
けれど、GIA の証明書には、「レーザー刻印 H&A」と記すメモがある場合もあります。GIA 証明書のこのメモは、単に「H&A」がダイヤモンドのガードルにレーザーで刻印されてから GIA によって格付けされたことを示すだけのものです。「H&A」レーザー刻印も、GIA 証明書の対応する注記も、GIA がそのダイヤモンドのハート&アローのパターンを認めたことを示すものではありません。
ダイヤモンド業界では、ダイヤモンド評価基準としてハート&アローを確立していません。この仕様とカット品質のダイヤモンドを購入しようとする消費者にとっては、H&A ビューアの下でハート&アローの様子を確認するのがベストでしょう。
弊社 BAUNAT のエキスパートは、お客様のさらなるどんなご質問にも喜んでお答えさせていただきます。また、ご希望の条件に敵うダイヤモンドを選ばせていただきます。